本日、
北海道大学で学ばれた中国の王晴(オウセイ)さんの修士論文に学ぶ
「デジタル絵本のインタラクティブ機能が幼児の物語理解に与える影響:紙絵本との比較を通して」
を聴講させて頂きました。
コーディネーターは
『北海道大学教育学研究院乳幼児発達論研究室』の川田学准教授です。
すでに先行研究として
●デジタル絵本を見ている間の親子の会話は“非関連的発話”が多い。
と言われていたそうです。
機器の操作の仕方を促したり、注意するなど、物語とは関係ない内容の会話が多いと言う意味です。
特に、注意などのネガティブ発言が多くみられるとの事でした。
王さんは、そうした先行研究もふまえながら
デジタル絵本を視聴している親子について研究されたお話でした💻
私の理解力でまとめますと
●物語が進む前に操作する子どもが多く見受けられる
物語りよりも次に進む、あるいはクリックするなどの操作に関心が寄せられている。
●笑顔や声出しが多く、喜んでいる様子が見られる。
紙の絵本を聞いている時よりも、能動的に関わろうとしている。
1時間の内容でしたので、もっと具体的でしたが
私が印象に残った部分を取り上げました。
どちらにもメリットとデメリットはあるようです🍀
ひとつの研究として
「デジタル絵本は紙絵本よりも、内容の記憶は薄く、読解力も身につきにくい」
と言う風にも理解しました🌱
いま、デジタル化やオンライン化が進み
「こどものため」と言う名目で電子メディアを子育てに活用しようという流れを感じます。
しかし、本当にそれは「子どものため」なのでしょうか?
もちろん
デジタル機器は便利で、これからの社会に必要な存在である。
と、私自身も思っていますし、実際に便利に活用しています。
小学校に時々足を運ぶ機会があるのですが、
コロナ禍で、子どもたちは
給食時間に【黙食】をしなければなりません。
そこで、外部者が生徒と接触しないよう
「放送室」を使用して
時々、絵本を読んで物語を
耳から楽しんでもらっています📚️
2日前にもボランティアで行ったばかりでした。
「このよでいちばんはやいのは」福音館書店
給食中に絵は見えなくても、
想像力が掻き立てられる絵本を選び
その後の読書に結び付く活動です🎙️
ところが、あるクラスはこの日
学級閉鎖で聞けなかったようです。
それは私の活動をいつも応援し、
喜んで下さる先生のクラスでした。
その先生が言いました。
「明日、オンライン授業に来て貰えませんか?」と。
私はすぐに引き受け、行ってきました✨
15分程度の時間ではありましたが、
絵本の魅力や想像力の大切さを
お話させて頂きました😊
こうして、学校に行けない子どもたちに
学びの機会をつくってあげられるのは
オンラインのメリットである。
と、感じています🧑💻
でも、、、
発達段階にある乳幼児の子どもたちに
家庭で積極的につかうには
とても違和感を感じています。
【子どもとメディア】で専門家の皆さんから学び、
成長に影響がある事例もたくさん知っています👶
私は
《絵本は生身の人間同士だからこそ、信頼関係が構築できる》
と思っています。
お父さんやお母さんが、子どもを膝の上に乗せ
または、枕もとでくっついて読むから意味があるのであって、
ネットを使って、それを見せる事に疑問を感じます。
こちらが積極的に見せなくても、すでに子ども社会はデジタル機器で溢れています。
目への影響や体への弊害を少しでも減らすには、
ブルーライトの発しない「紙の絵本」が良いのではないでしょうか?
よく講演会の会場で
「お父さんの読み聞かせは勝手に話を変える」や
「オーバーに読み過ぎる」
と言う、ママ側からの意見を聞きます。
だから私は
「それって最高のコミュニケーションの時間ですから、お父さんをどんどん誉めてあげてください👍」
と答えます。
「絵本」の魅力は、
物語を子どもに教える事でも
作者の意図を感じさせる事でもありません。
親子の絆を深めていく事だと思います。
そこをベースに考えると、
デジタル絵本などの必要性はもっと考えていくべきではないかと感じます。
商業ベースにのって、どんどん目新しいものが出てきます。
小さな子どもに一度与えると、
コントロールするのが難しくなる事が多いデジタル機器。
王さんは最初におっしゃいました。
「おとなのライフスタイルは子どもに影響している」と。
電子メディアに囲まれ始めている子どもたちに、
どうか「絵本」は
生の声で。目の前で。
同じ世界を共有しながら楽しんで欲しい。
と、切に願っています🍀