先日「江別セラミックアートセンター」で開催された
【北海道功労賞受賞記念展 手島圭三郎 北の大地に祈りを込めて】
の原画展に行ってきました。
北海道の自然に生存する動物たちを版画で繊細かつ美しく表現し、絵本として数々の受賞をされていらっしゃる絵本作家さんです。
この日はご本人が登場し、作品を解説をして下さるという事でした。
今までのご経歴から、作品それぞれに対する想いを語って下さいました。
現在83歳。
1935 北海道 紋別市生まれ
1957 北海道学芸大学 札幌校 卒業
1977 中学校での20年間の教員生活を終え木版画家として独立
1982 『しまふくろうのみずうみ』 絵本にっぽん賞
1984 『カムイチカプ』 厚生省児童福祉文化奨励賞
1986 『きたきつねのゆめ』 ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞
1987 『おおはくちょうのそら』 ニューヨークタイムス選・世界の絵本ベストテン入
1988 『きたきつねのゆめ』 ニューヨークタイムス選・世界の絵本ベストテン入
1997 『おおはくちょうのそら』 ドイツ児童文学賞 絵本部門・ノミネート賞
手島さんの版画は現在4枚の板を使い、色を分けながら重ねていくのが基本だそうです。
摺ってみてうまくいかなければやり直しをすることもしばしばあるとか。
一般の方にも分かりやすいように展示されていたのがこちら。
左手の4枚を重ねていくと、一番下の絵のようになるそうです。
ちなみに右側のフクロウ3羽が眠っている版画や
私が記念撮影した1番上の写真に写っている版画は失敗作なんだとか( ゚Д゚)
本当に摺った板は全体に色がついて分かりにくいので、イメージしやすいようにこちらに黒で色を塗って展示されていらっしゃるとの事でした。
どこが失敗なのか、まったくわからないほどのクオリティの高さです。。
絵本の原画はもちろん、その他の作品についても教えて下さいました。
全道各地からファンの方がたくさんいらっしゃり、最後には質問にも色々と答えて下さったんですよ。
毎年1冊の新刊を出していらっしゃり、現在30冊以上。
途中、大病もスランプもなく現在に至るそうです。
毎朝5時に起きて作品を作り、途中でお散歩もしながらまた作る。
夕方5時には仕事を終えられるようにされているとか。
「他の趣味などを我慢して作業しているわけではなく、作品が少しずつ完成していくことが楽しくて仕方がないんですね。好きな事をやりながら暮らしているんです。」
と言う言葉がとても印象的でした。
関係者の方のお話によると、手島さんの一般的な原画展は1作品が多いそうですが、今回は5作品を展示されているとの事。
最後は希望者へのサイン会も開催されました。
一緒に行った娘が購入した絵本は最新刊のこちら。
これからもお元気で、力強く神々しい作品が出版されるのを楽しみにしています♪
とても贅沢で素晴らしい時間をありがとうございました。
(会場内の写真は許可を頂いております)