NO.7「あめだま」

はるちゃんの絵本の本棚から

File Number.7は

「あめだま」 ブロンズ新社

作 ペク・ヒナ

訳 長谷川義史

発行年月日 2018年8月

ポイントは

「分かりあえる喜び」 です🍀

 

いつも独りぼっちの少年ドンドンが

ある日、6つの不思議なあめだまを手にれます。

それを舐めると、“ソファ”や“年老いた飼い犬”などの声が聞こえてくるのです。

その声を聞くことで、思いもよらない相手の気持ちを知っていきます。

 

そして、いつも小言ばかりの“父”や

会えない所にいる“おばあちゃん”の想いも知り

「意思疎通」することで

ドンドンの心は【あめだま】のようにゆっくりと溶けながら変わっていきます。

 

人形作家でもある韓国のペク・ヒナさんが、自身の息子さんをモデルに創り上げ、撮影も全て本人が行った成長の物語です。

翻訳は大阪在住の長谷川義史さんが、少年の心の動きや微妙なニュアンスを、関西弁の空気感でぴったりと表現しています。

 

昨年9月に絵本作家の【ペク・ヒナさん】が札幌にいらっしゃり、

私は直接お話を伺う機会がありました😊

作品について、通訳の方を介しながら

様々なことを話して下さいました🍬

「あめだま」の撮影は、【光】に特にこだわり

納得がいくまで何度も撮り直したそうです☀

 

主人公のドンドンは、コミニュケーションが苦手なタイプなので、前髪で目を隠すような感じにしたり

お父さんも同じく、目をメガネで見えないようにされたとの工夫も教えてくれました。

 

そして、自分で創っているのに

物語の展開に泣いてしまったこともあったとか。

それは、

お父さんシーンと、おばあちゃんのシーンです🌿

 

語り口調は穏やかながら、ご自身のポリシーが随所に感じられ、聴けば聴くほど作品の魅力に惹き込まれていきました🍁

絵本を読んで、

物語に感動したり共感したあと、

作家さんのお話を聴けると

新たな発見があり、より愛着を感じますね📙

凛とした姿が美しく、

とても素敵な方でした🍂

 

この時、ペクさんは

「私は悲観的に考えるタイプなので、

すべて物語は【悲劇】だと思っている。

なぜなら、みんな死ぬから。。。

でも、その中で、なんとか努力してみる価値はある。

そこに救いがある。」

と、お話しされていました。

 

通訳され、さらに私のフィルターを通していますから、もしかすると解釈が若干異なるかもしれませんが、、、

いま、その言葉の意味を

より深く感じています🌎

世界中が先の見えない状況の中で、

「なんとかしてみる価値」を考えながら

あの日のことばを思い出しました。